月島つきしま)” の例文
「お礼には及びませんよ。それに、私は名刺なんか持っていないんです。月島つきしま二丁目に住んでいる正木正太まさきしょうたという左官なんです」
東京要塞 (新字新仮名) / 海野十三(著)
月島つきしま埋立工事うめたてこうじが出来上ると共に、築地つきぢの海岸からはあらた曳船ひきふねの渡しが出来た。向島むかうじまには人の知る竹屋たけやわたしがあり、橋場はしばには橋場はしばわたしがある。
水 附渡船 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
両艇は、ほとんど同じ距離をたもちながら、月島つきしまをはなれ、お台場だいばに近づき、またたくまに、そのお台場もうしろに見て、洋々たる東京湾の中心にむかって疾駆しっくしています。
青銅の魔人 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
娘 お父さん、その後、あっちへ行って? 月島つきしまへ?
或る別れ (新字新仮名) / 北尾亀男(著)
月島つきしまの埋立工事が出来上ると共に、築地つきじの海岸からは新に曳船ひきふねの渡しが出来た。向島むこうじまには人の知る竹屋たけやの渡しがあり、橋場はしばには橋場の渡しがある。
其の日は重役との相談が長引いたので、会社の門を出た時は、もう薄暗かった。彼の家は月島つきしまにあったので、いつも越中島の淋しい細道を通りぬけて行くのであった。
空中墳墓 (新字新仮名) / 海野十三(著)
風船は月島つきしまを横切って、お台場の方角へ、ランチは、相生橋あいおいばしをくぐって品川湾へ。
吸血鬼 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
自分をしてそのヴェランダのそとなる植込の間から、水蒸気の多い暖な冬のなどは、よるの水と夜の月島つきしまと夜の船の影とが殊更美しく見えるメトロポオル・ホテルの食堂をも忘れさせない。
銀座 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
月島つきしま海岸に漂着した溺死体
魔術師 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)