暴虎馮河ぼうこひょうが)” の例文
「こんな暴虎馮河ぼうこひょうがの曲芸は、やめとく方が利口じゃないでがすか。」と、止めた。「今度ア、なかなか奴らの威勢がいいんですよ。」
武装せる市街 (新字新仮名) / 黒島伝治(著)
山岡鉄太郎などをいやにめる奴があるが、要するに、あれは分別臭い利口者だよ、暴虎馮河ぼうこひょうがのできる男でもなければ、身を殺して仁を為せる男でもない。
大菩薩峠:37 恐山の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
暴虎馮河ぼうこひょうがには孔子こうしくみせずといったが、世俗はいまだ彼らに敬服けいふくする。昔時せきじ、ローマ時代には徳という字と勇気という字とは二つ別々に存在しなかった。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
しかし光圀とて、暴虎馮河ぼうこひょうがの愚は振舞わん。格外も供せよというからには、いささか存ずる旨もあればこそじゃ。——介三郎、そちはな、すぐ光圀が旅立ちを
梅里先生行状記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
わしはいつぞや、八幡境内で、油断のう進めとはいうたが、しかし暴虎馮河ぼうこひょうがこそつつしむべきだ。
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
「蛸め。式部は卑怯ひきょうだ。かまわぬ、つづけ!」と式部の手のゆるんだすきを見て駒に一鞭ひとむちあて、暴虎馮河ぼうこひょうが、ざんぶと濁流に身をおどらせた。式部もいまはこれまでと観念し
新釈諸国噺 (新字新仮名) / 太宰治(著)
謂わば暴虎馮河ぼうこひょうがの勇、何程のことがござりましょう。
赤坂城の謀略 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
暴虎馮河ぼうこひょうがだ。9895
いかに胆吹王国といえども、これだけの実力を以て大軍に向うなどは、暴虎馮河ぼうこひょうがの至りです。