日輪巻にちりんまき)” の例文
ことに山県蔦之助やまがたつたのすけは、弓術きゅうじゅつは自分のはたけのものであるし、じしん得意とくいとする代々木流よよぎりゅうも、ひさしく、日輪巻にちりんまきゆみつがえをして、うでのスジを思うさまのばしたことがないから
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
今為朝いまためともといわれたのはどんな人物かと見ると、たけたかく、色浅ぐろい二十四、五さい武士ぶしである。黒い紋服もんぷく片肌かたはだをぬぎ、手には、日輪巻にちりんまき強弓ごうきゅうと、一本の矢をさかしまににぎっていた。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
山県蔦之助やまがたつたのすけ日輪巻にちりんまきゆみから切ってはなした白鷹しらたか塗矢ぬりやにちがいはないのである。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)