日本紀にほんぎ)” の例文
宣長翁のはじめて言われた清濁の書き分けについて『古事記』のみならず『万葉集』『日本紀にほんぎ』その他古代の文献について調べた結果
古代国語の音韻に就いて (新字新仮名) / 橋本進吉(著)
うちのうへの源氏の物語人に読ませ給ひつつ聞しめしけるに、この人は日本紀にほんぎをこそよみ給へけれ、まことざえ有べしとのたまはせけるを……
日本精神史研究 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
唐児からこわげ」を「からわ」という。日本紀にほんぎに角子を「あげまきからわ」と訓してあるそうで、もしかすると「からわ」また「からは」は初めには頭を意味したかもしれない。
言葉の不思議 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
「不風流に小説の悪口を言ってしまいましたね。神代以来この世であったことが、日本紀にほんぎなどはその一部分に過ぎなくて、小説のほうに正確な歴史が残っているのでしょう」
源氏物語:25 蛍 (新字新仮名) / 紫式部(著)
由来、わが国の歴史としては、中古ちゅうこ以前のものに、古事記こじき日本紀にほんぎなどがあるが、中古以後にいたっては、北畠親房卿きたばたけちかふさきょうせんせられた神皇正統記じんのうしょうとうきのほかにこれというものもない。
梅里先生行状記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)