日出ひので)” の例文
木村は座布団の側にある日出ひので新聞を取り上げて、空虚にしてある机の上に広げて、七面の処を開ける。文芸欄のある処である。
あそび (新字新仮名) / 森鴎外(著)
すでに日本の幽霊は珍しくないから、シナの幽霊について、『京都日出ひので新聞』に出でたる投書の一欄を転載しておく。
迷信と宗教 (新字新仮名) / 井上円了(著)
そのかみ己が血をもて湊を熱くせしわが故郷ふるさとはブッジェーアと殆ど日出ひので日沒ひのいりを同うす 九一—九三
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
然れども山水としてその最も上乗じょうじょうなるものは伊勢いせ二見ふたみうら日出ひのでけい、または Gillotジョオ 蒐集板画目録中に載せられたる三枚続にして、樹木茂りし丘陵の彼方かなたはるかに雪の富士巍然ぎぜんとしてそび
江戸芸術論 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
日出ひので後は、普通のカメラに切り換えるのである。この二つを使って、総計二千二百フィートの撮影をした。一秒二十四こまの普通廻転に換算すると、時間的には、十五万フィートの撮影に相当する。
黒い月の世界 (新字新仮名) / 中谷宇吉郎(著)
日出ひので前の水汲に素袷すあはせの襟元寒く、夜は村を埋めて了ふ程の虫の声。
天鵞絨 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)