日傭ひやとい)” の例文
ようやくのことでわずかの畠などを作らせてもらい、その他は日傭ひやといとか手伝とかの収入をもって生計を補充し、よく貞操を守って子どもの一人役になるまで
木綿以前の事 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
心なき日傭ひやといどもをさえ、死ぬほど懸命に働かせ得る器量があるところを見れば、訓練あるつわものどもを
新書太閤記:02 第二分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
僕婢ぼくひ日傭ひやとい労働者、小作人及び総ての女子等、約言すれば他人より「食物及び保護」を受くる総ての人々を国民とは認めず、単に国家補助員と見做みなしていた」というのは
田畑は勿論もちろん宅地たくちもとくに抵当ていとうに入り、一家中日傭ひやといに出たり、おかみ自身じしん手織ており木綿物もめんものを負って売りあるいたこともあったが、要するに石山新家の没落は眼の前に見えて来た。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
ここの仕事は荒っぽいので日傭ひやといでも肩肉の盛り上がってるのが揃っている。
醤油仏 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
かしてくれ。この野郎のどじときたら、一度や二度のことじゃあねえ。力仕事に馴れねえなら、日傭ひやといなどに来なけれやいいんだ。賃銀泥棒だ、こいつあ。——おいッ、くせになるから、ふくろ叩きにして、湖水へたたッこんでくれ
新書太閤記:04 第四分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)