旗揚はたあげ)” の例文
右兵衞佐うひやうゑのすけ(頼朝)が旗揚はたあげに、草木と共に靡きし關八州くわんはつしう、心ある者は今更とも思はぬに、大場おほばの三郎が早馬はやうまききて、夢かと驚きし平家の殿原とのばらこそ不覺ふかくなれ。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
世を恨み義に勇みし源三位げんざんみ、數もなき白旗殊勝しゆしようにも宇治川の朝風あさかぜに飜へせしが、もろくも破れて空しく一族の血汐ちしほ平等院びやうどうゐん夏草なつくさに染めたりしは、諸國源氏が旗揚はたあげの先陣ならんとは
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)