方付かたづ)” の例文
女の方へ脱線ばかりすると方付かたづかぬから、また蛇の方へ懸るとしよう。まず蛇の魅力の豪い奴から始める。
温健の好人物と云ふ事で、其方そのほうはすぐ方付かたづいて仕舞つた。不幸にしてだれも令嬢の父母を知らなかつた。けれども、物堅ものがたい地味なひとだと云ふ丈は、ちゝ三人さんにんの前で保証した。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
僕の知つた男にね、細君がいやになつて離縁を請求したものがある。所が細君が承知をしないで、わたくしは縁あつて、此家このうち方付かたづいたものですから、仮令たとひあなたが御厭おいやでもわたくしは決して出てまいりません
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)