断髪だんぱつ)” の例文
旧字:斷髮
自身米国近海に遊泳したので、昨年は米国において鬢長大漁とあって、日本の鬢長は再び断髪だんぱつ流行の日本に薄遇をこうむることになった。
鮪を食う話 (新字新仮名) / 北大路魯山人(著)
そして、だれのにも、あばずれおんなとしかえなかった青服あおふくわか女房にょうぼうは、ふだんくちびるあかくぬって断髪だんぱつをちぢらしていたが、くもがくれするまえのこと
春はよみがえる (新字新仮名) / 小川未明(著)
例の黒眼鏡の断髪だんぱつの外国婦人が忍びよって、そこらに散らかっている雪のように白い木屑を、せっせと掃きあつめてはメリケン粉袋にぎゅうぎゅうつめこんでいた。
○○獣 (新字新仮名) / 海野十三(著)
かの女は断髪だんぱつもウエーヴさえかけない至極しごく簡単なものである。およそ逸作とは違った体格である。何処どこにも延びている線は一つも無い。みんな短かくてくくれている。日輪草にちりんそうの花のような尨大ぼうだいな眼。
かの女の朝 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
子供達は、断髪だんぱつにしている私の男の子のような姿を見ると
風琴と魚の町 (新字新仮名) / 林芙美子(著)