斬合きりあい)” の例文
今、総門の前で駕をおりると斬合きりあいだという往来の声。よもやと思いのほか、かねがね、こんな事件も起ろうかと案じていた各〻ではないか。
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「は、はい、通りがかりの者でございますが……不意の斬合きりあいで……ここへ逃込みましたが……お願いでございます……どうぞ暫くお隠匿かくまい……」
甲州鎮撫隊 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
斬り掛られ黙って引込ひっこんでる人じゃアねえからちゃん/\斬合きりあいを初めるでしょう、そうしておっかさんの身体へきずでも付けると大変だから、お前さんは二三身を隠して下せえ
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
しかし、小幡民部こばたみんぶは、こうした斬合きりあいはごく不得手ふえてであった。太刀たちをもって人にあたることは、かれのよくすることではない。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「しようのねえ奴だな。斬合きりあいが飯より好きだという野郎ですからね。——どうしましょう」
宮本武蔵:06 空の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
斬合きりあいか』
夕顔の門 (新字新仮名) / 吉川英治(著)