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放擲
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うっちゃらか
ふりがな文庫
“
放擲
(
うっちゃらか
)” の例文
大塚さんは彼女を
放擲
(
うっちゃらか
)
して
関
(
かま
)
わずに置いた日のことを考えた。あらゆる夫婦らしい
親密
(
したしみ
)
も
快楽
(
たのしみ
)
も行って了ったことを考えた。
刺繍
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
彼女と別れる前の年あたりには、大塚さんは何でも彼女の思う通りに任せて、万事家のことは
放擲
(
うっちゃらか
)
して了った。
刺繍
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
よしんばおせんは、彼女が自分で弁解したように、罪の無いものにもせよ——冷やかに
放擲
(
うっちゃらか
)
して置くような夫よりは、意気地は無くとも親切な若者を
悦
(
よろこ
)
んだであろう。
刺繍
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
放擲
(
うっちゃらか
)
して置いた家の中はシンカンとしていた。裏に住む女教師なども病院の方の様子を聞きに来た。
芽生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
「そんなことは
放擲
(
うっちゃらか
)
して置いたら可いでしょう。そうホジクらないで……私に言わせると、
何故
(
なぜ
)
そんなに遊ぶと責めるよりか、何故もっと儲けないと責めた方が可い」
家:02 (下)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
▼ もっと見る
お雪はそれを三吉に見せて、こういう手紙には迷惑すると言った。三吉は好奇心を
以
(
もっ
)
て読でみた。
放擲
(
うっちゃらか
)
して置いた。どうかするとお雪は不思議な沈黙の
状態
(
ありさま
)
に陥ることも有った。
家:01 (上)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
正太が
放擲
(
うっちゃらか
)
して置いて行った
諸方
(
ほうぼう
)
の遊び場所からは、あそこの茶屋の女中、ここの待合の
内儀
(
おかみ
)
、と言って、しばしば豊世を苦めに来た。彼女はそういう借金の言訳ばかりにも、疲れた。
家:02 (下)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
“放擲”の意味
《名詞》
放擲(ほうてき)
投げ捨てること。投棄すること。
放り出すこと。
(出典:Wiktionary)
放
常用漢字
小3
部首:⽁
8画
擲
漢検1級
部首:⼿
18画
“放”で始まる語句
放
放蕩
放埒
放火
放縦
放恣
放逐
放肆
放埓
放免