そこね)” の例文
彼が父の機嫌きげんそこねないような巻紙の上へ、なるべく金を送ってくれそうな文句を、堅苦しい候文でしたため出したのは、それから約十分であった。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
狙ったのだろうが、この狙いは、ねらいそこねなんだね、きみなんかのように少女くさいのは却々手にのりそうで、いざとなると、ぴょんとね上ってしまって草臥くたびれもうけさ。
蜜のあわれ (新字新仮名) / 室生犀星(著)