揺動ゆれうご)” の例文
旧字:搖動
あるものは願望ねがいはあれど希望のぞみなき溜息ためいきをもって、揺動ゆれうごく無数の藻草もぐさのようにゆらゆらとたゆとうておった。
悟浄出世 (新字新仮名) / 中島敦(著)
……ト此の奇異なる珍客を迎ふるか、不可思議のものにきそふか、しずかなる池のに、眠れるうおの如く縦横じゅうおうよこたはつた、樹の枝々の影は、尾鰭おひれを跳ねて、幾千ともなく、一時いちどきに皆揺動ゆれうごいた。
伯爵の釵 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)