揺動ゆりうご)” の例文
旧字:搖動
かと思うとやがて耳許みみもと聞馴ききなれた声がして、しきりと自分を呼びながら身体からだ揺動ゆりうごかすものがある。
散柳窓夕栄 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
小さな通船かよいぶねは、胸の悩みに、身もだえするままに揺動ゆりうごいて、しおれつつ、乱れつつ、根を絶えた小船の花の面影は、昼の空とは世をかえて、皓々こうこうとしてしずくする月の露吸う力もない。
伯爵の釵 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
小さな通船かよいぶねは、胸の悩みに、身もだえするまゝに揺動ゆりうごいて、しおれつゝ、乱れつゝ、根を絶えた小船の花の面影おもかげは、昼の空とは世をかへて、皓々こうこうとしてしずくする月のつゆ吸ふ力もない。
伯爵の釵 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
女はお雪の肩を揺動ゆりうごかしましたが、何とも不思議なすごい声で
湯女の魂 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)