揚州ようしゅう)” の例文
玄機が刑せられる二年前に、温は流離して揚州ようしゅうに往っていた。揚州は大中十三年に宰相をめた令狐綯が刺史ししになっている地である。
魚玄機 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
燎原りょうげんの火とばかり、魔の手をひろげて行った黄巾賊の勢力は、今では青州せいしゅう幽州ゆうしゅう徐州じょしゅう冀州きしゅう荊州けいしゅう揚州ようしゅう兗州えんしゅう予州よしゅう等の諸地方に及んでいた。
三国志:02 桃園の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
五月、燕兵泗州ししゅうに至る。守将周景初しゅうけいしょくだる。燕の師進んでわいに至る。盛庸せいよう防ぐあたわず、戦艦皆燕のるところとなり、盱眙くいおとしいれらる。燕王諸将の策を排して、ただち揚州ようしゅうおもむく。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
洛陽を去って揚州ようしゅうの方面へ立ってしまった。
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)