掻払かっぱら)” の例文
旧字:掻拂
この通り向脛むこうずね掻払かっぱらわれて、着物なんぞもズタズタでございます、すんでのことに命を取られるところを、やっとここへ逃げ上ったんでございます
んの生命を掻払かっぱらいさえすりゃ、お孝とのよりが戻って、早い話が旧々もともと通り言うことを肯いて、女が自由になる見込さえあればですだ、それこそ、お前んが国手でも、神でも、仏でも
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
味をしめて、古本を買込むので、床板を張出して、貸本のほかに、そのあきないをはじめたのはいいとして、手馴てなれぬ事の悲しさは、花客とくいのほかに、掻払かっぱらい抜取りの外道げどうがあるのに心づかない。
薄紅梅 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
向脛むこうずね掻払かっぱらって、ぎゃっと傾倒のめらしてくれますわ。
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)