排擠はいせい)” の例文
何故あんなものを膝下によせつけるのかという風にそれを排擠はいせいすることがあるとしても、またそういう人間が自分から遠ざかろうとしても
子規居士と余 (新字新仮名) / 高浜虚子(著)
交換局では同性ばかりの集まりからくる嫉視・反目・排擠はいせい、徹底した意地悪さ、それに冷たい監督、それが全部だった。
五階の窓:04 合作の四 (新字新仮名) / 甲賀三郎(著)
当時の仏教は倶舎、律、真言、法相、三論、華厳、浄土、禅等と、八宗、九宗に分裂して各々自宗を最勝でありと自賛して、互いに相排擠はいせいしていた。
僧というものは俗を離れた世界に住みながら嫉妬しっと排擠はいせいが多くてうるさいものだそうであるからと思召して
源氏物語:19 薄雲 (新字新仮名) / 紫式部(著)
早い話が「然り」に該当する京都のヘーが、九州のある地域のエーだのネーだのあるいは北東日本の、ハイだのアだのを排擠はいせいして、標準となるだけの資格がどこにあるだろうか。
雪国の春 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
しかし我子夫婦に対するこういう意味の生活は最早母と子、姑と嫁という関係でなくて、年齢の違った一種特別の親友という関係に近いであろう。親友の間には威圧も、屈従も、僻みも、排擠はいせいもない。
姑と嫁について (新字新仮名) / 与謝野晶子(著)
嫉妬、排擠はいせい呪詛じゅそ、抗争は、いずれ相手があっての仕事である。
大菩薩峠:32 弁信の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)