)” の例文
そうだ、私は私の生活を自分でり開き、自分で創造しなければならぬ。そして、東京こそはまことに、私の生活を打ち建てるべき未墾みこん大曠野だいこうやなのだ。
「ところが、そうじゃございません。灘波なにわの葦をり開いたのも、太閤様よりおんなの方が先でございますからね」
宮本武蔵:06 空の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
自分の心の叢林をりひらいた人は何と幸福であろう!
それを避けて、八ヶ岳のふもとを、真っすぐに、一条の早道はあるが、これは信玄が、度々国境へ出馬するため、り開いた道で——信玄の棒道ぼうみち——と呼んでおるもの。
上杉謙信 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
わしがり開いたこの地方の田産でんさんや、諸所にある伝来の荘園しょうえん(官給地)は、お身たちが、管理して、小次郎が成人の後は、牧の馬や、奴婢などと一しょに、そッくり、還してやってくれい。
平の将門 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
安息にとものうてくる初老のきざしだ。この間に、時代は移ってゆく。後輩は先輩を乗りこえてゆく。若い、次の者が新しい道をひらいてゆく。——それでいいのだ。世の中は転変の間に進んでいるから。
宮本武蔵:07 二天の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)