ドア)” の例文
入口のドアに張るべき硝子ガラスを、お島が小野田に言われて、根津に家を持ったときから顔を知られている或硝子屋へ懸けあいに行ったのは、それから間もなくであった。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
機が飛行場エロドロウム驀出ばくしゅつして、すぐそばのアパアトメントの中層とすれすれに飛び、あけはなした窓をとおして一家庭の寝台、絨毯、机、そのうえの本、ちょうどドアを押して這入ってきた女
踊る地平線:04 虹を渡る日 (新字新仮名) / 谷譲次(著)
向うは浴室とのドアになっていて、その横の壁にマホガニー色の装飾を凝らした鏡附きの古風な化粧台があって、それに相当の空間を置いて、相対した壁に洋銀のダブルベッドが備えつけられ
フレップ・トリップ (新字新仮名) / 北原白秋(著)
やがて上の方で書斎のドアがどたんと閉まる声がして、後は静になった。
行人 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)