憤々ぷんぷん)” の例文
力松は憤々ぷんぷんとしております。日頃、軽口と男っ振りで、若い女にチヤホヤされる綾吉が、癪にさわってたまらなかったのでしょう。
ト口に言って、「お勢の帰って来ない内に」ト内心で言足しをして、憤々ぷんぷんしながら晩餐ばんさんを喫して宿所を立出たちいで、疾足あしばや番町ばんちょうへ参って知己を尋ねた。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
「あの人達は、わたしを喚びに来ません。あの人達は、自分で運び出しました」阿Qはその話が出ると憤々ぷんぷんした。
阿Q正伝 (新字新仮名) / 魯迅(著)
余は憤々ぷんぷんと怒って門へ引返し、甚蔵の寝て居る馬車を連れて再び此の台所口まで帰って来た、馬丁べっとうの力を借り
幽霊塔 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
この騒ぎが江戸中に拡がると、三輪の万七は、憤々ぷんぷんとして駆け付け、平次に嫌味の数々を聞かせながら、必死となって探索を始めました。
陳老五は憤々ぷんぷんしながらやって来た。どんなにわたしの口を抑えようが、わたしはどこまでも言ってやる。
狂人日記 (新字新仮名) / 魯迅(著)
その後で、金太と八五郎が、お留の憤々ぷんぷんたる忿怒ふんぬの前に、どんなに深刻な家捜しをしたことか。
八五郎はまだ憤々ぷんぷんしております。