怨毒えんどく)” の例文
走り去ること一町ばかり、俄然がぜんとどまり振返り、蓮池を一つ隔てたる、燈火ともしびの影をきっと見し、まなこの色はただならで、怨毒えんどくを以て満たされたり。
妖僧記 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
こう怨毒えんどくいずれに向かってか吐き尽くすべきみちを得ずば、自己——千々岩安彦が五尺のまず破れおわらんずる心地ここちせるなり。
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)