性得しょうとく)” の例文
おれあこうやってる時だけ生きているという気がするのだ。因果いんが性得しょうとくよなあ! 貴様が壺を伏せたりあけたりする手つきと、女を
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
私は、この徳をソクラテスの性得しょうとくに帰するよりも、寧ろ修養の結果と看做みなすことの妥当なるを信ずるものである。
ソクラテス (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
見かけはでっぷりして丈夫そうな身体だったが、彼は性得しょうとく心臓が弱かったので、余り興奮したり、調べ物に身を入れたりすると、よく脳貧血を起すのだった。
支倉事件 (新字新仮名) / 甲賀三郎(著)
お島は自分の性得しょうとくから、N——市へ立つ前に、この男のことをその田舎では一廉ひとかどの財産家の息子ででもあるかのように、父や母の前に吹聴しずにはいられなかった。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
性得しょうとくはなはだ誠実にして学業の進みも早く、師家にては彼に皆伝を許さんと思いおるうち、吉兵衛は国元の便りを聞き、大いに驚き、それとなしに師家を辞して土佐に帰り
迷信と宗教 (新字新仮名) / 井上円了(著)