応諾おうだく)” の例文
何はもあれ僕はスウィッチを直ぐ様、送信機の方へ切換えると「応諾おうだく」の符号を送りました。波長は四・五メートルを指していました。
壊れたバリコン (新字新仮名) / 海野十三(著)
鶴見が離れようとすればするほどまとわりついてくる女の執拗さにあきれて、女のこびには応諾おうだくも与えずに、押黙って本を見ていた。
その夜、喜兵衛の使いが、僧庵を訪れて試合応諾おうだくを伝えたので、初めて事の次第を知った庵主は胆を消し
随筆 宮本武蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
やがてのことに、やっと応諾おうだくの返事が、ノーマ号からあがったので、いよいよ事務長はボートを仕立てて、六人の部下とともに海上に下りた。
火薬船 (新字新仮名) / 海野十三(著)
正木正太と名乗る半纏着の男は、ようやくのことで五郎造のすすめを応諾おうだくした。
東京要塞 (新字新仮名) / 海野十三(著)
老人の静かな声に、帆村もまた無言で応諾おうだくした。
西湖の屍人 (新字新仮名) / 海野十三(著)