心羞うらはづ)” の例文
悪い請求たのみをさへすらりと聴て呉れし上、胸に蟠屈わだかまりなく淡然さつぱり平日つねのごとく仕做しなされては、清吉却つて心羞うらはづかしく、どうやら魂魄たましひの底の方がむづ痒いやうに覚えられ
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
と、お定は今の素振そぶりを、お八重が何と見たかと氣がついて、心羞うらはづかしさと落膽がつかりした心地でお八重の顏を見ると、其美しい眼には涙が浮んでゐた。それを見ると、お定の眼にも遽かに涙が湧いて來た。
天鵞絨 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
と、お定は今の素振を、お八重が何と見たかと気がついて、心羞うらはづかしさと落胆がつかりした心地でお八重の顔を見ると、其美しい眼には涙が浮かんでゐた。それを見ると、お定の眼にもにはかに涙が湧いて来た。
天鵞絨 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)