御遺言ごゆいごん)” の例文
しかるところ松向寺殿御遺骸ごいがいは八代なる泰勝院にて荼毗だびせられしに、御遺言ごゆいごんにより、去年正月十一日泰勝院専誉御遺骨ごゆいこつを京都へ護送いたし候。
興津弥五右衛門の遺書 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
もっともこれは愚僧当山とうざんの厄介に相なり候てより三年の後にて、愚僧は御遺言ごゆいごんもとづき当山八代目の住職に相なり候次第にて有之候。
榎物語 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
其様そんな怖い処へ此のを奉公にられますかね、とても遣られませんよ、何うしておっかない、皿を毀した者の指を切るという御遺言ごゆいごんだか何だか知らんけれども
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
五※も実って、貴方様あんたさまも私も命いつないで、物を喰って生きていられるだア、其の大事でえじなこれ人間が、粗相で皿ア毀したからって、指を切って不具かたわにするという御先祖様の御遺言ごゆいごんを守るだから
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
つい先月お前の二の腕に刺青ほりものをしてお父様とっさまに代って私が意見をしたのを忘れておしまいか、お前は性来せいらいで人と喧嘩をするが、短慮功を為さずと云うお父様の御遺言ごゆいごんを忘れたか、母のいましめも忘れて
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)