“御言（おことば）” の例文
「はッ、仰（おおせ）一応御道理（ごもっとも）、御言（おことば）を返しましては恐多くござりまするが、あれが死にましたは何も金次の知ったことではござりませぬ。」
貧民倶楽部 (新字新仮名) ／ 泉鏡花(著)
「褒美には望みの物を取らせるぞ。遠慮なく望め。」と云ふ難有い御言（おことば）が下りました。すると良秀は畏まつて、何を申すかと思ひますと
地獄変 (新字旧仮名) ／ 芥川竜之介(著)
折角の御言（おことば）で御座いますから、思召（おぼしめし）に甘えまして、一通りお話致しますで御座いますが、何から何まで皆恥で、人様の前ではほとほと申上げ兼ねますので御座います。
金色夜叉 (新字旧仮名) ／ 尾崎紅葉(著)
さまでにおほせ下（くだ）され候（さふら）へば、きつと畏（かしこま）り候（さふらふ）、某（それがし）が不肖（ふせう）なる、何（なに）を以（もつ）て御言（おことば）に報（むく）い奉（たてまつ）らむ
十万石 (旧字旧仮名) ／ 泉鏡花、泉鏡太郎(著)
昨夜（ゆふべ）翁さんから悉（くはし）く話があつて、その上に頼むといふ御言（おことば）だ
金色夜叉 (新字旧仮名) ／ 尾崎紅葉(著)