御裔みすえ)” の例文
……これが伊勢の大神さまにかしずいたものの御裔みすえかと、正直、日頃そう嘆かれまするで、折ふしきょう、御領主さまのお通りを拝んだら、急に、胸がふさがってまいりました。
新書太閤記:04 第四分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
いずれも日本国の天神地祇の御裔みすえなりという有難ありがたさを言わず説かずに悟らしむるの道なり。
神社合祀に関する意見 (新字新仮名) / 南方熊楠(著)
さて何ゆえにかくのごとく多くの名字がわがくににできたか、高きも低きもいっせいに、日の神の御裔みすえであるところの大和民族が、いかなる必要があってかくのごとく分れて行ったか。
名字の話 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
日本には神代から和歌があって、それが神の御裔みすえみかどの廷に、絶えることなく承け継がれて来たという、昔ゆかしい信念であった。『古今集』の序にも和歌は素戔嗚尊すさのおのみことにはじまったと記している。
中世の文学伝統 (新字新仮名) / 風巻景次郎(著)