御聞おきき)” の例文
その割に合わぬ声を不作法に他人様の御聞おききに入れて何らの理由もないのに罪もない鼓膜こまくに迷惑をけるのはよくせきの事でなければならぬ。
趣味の遺伝 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
山家やまが御馳走ごちそう何処いずくも豆腐湯波ゆば干鮭からざけばかりなるが今宵こよいはあなたが態々わざわざ茶の間に御出掛おでかけにて開化の若い方には珍らしくこの兀爺はげじいの話を冒頭あたまからつぶさずに御聞おききなさるが快ければ
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
人我にんが差別しゃべつも分り憎くなると孫共まごどもに毎度笑われまするが御聞おききづらくも癖ならば癖ぞと御免おゆるしなされ。
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
「何か御聞おききになった事はなくって」
野分 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)