御祖ミオヤ)” の例文
ココに其御祖ミオヤ命哭き患いて、天に参上マイノボりて、神産巣日之命に申給う時に、乃ち𧏛貝キサガイ比売と蛤具ウムギ比売とをオコせて、作り活かさしめ給う。
比較神話学 (新字新仮名) / 高木敏雄(著)
御祖ミオヤ神(母神の意)天から降つて、姉娘富士に宿りを乞ふと、新嘗の夜故との口実で宿を拒んだ。妹筑波に頼むと新嘗するけれども、母ゆゑにはと言うて泊めたと言ふ。
まれびとの歴史 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
かれ寤めて問ひ給ひしかば、爾時ソノトキに「御津ミアサキ」と申しき。その時何処を然言ふと問ひ給ひしかば、即、御祖ミオヤの前を立去於坐タチサリニイデマして、石川渡り、阪の上に至り留り、此処と申しき。
水の女 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
カレその母に、愁い申す時に、御祖ミオヤの答えて曰く、我が御世の事、能くこそ神習カミナラはめ、又うつしき青人草習えや、其物を償わぬ、と云いて其兄なる子を恨みて、乃ち其伊豆志イツシ河の河島の節竹ヨダケを取りて
比較神話学 (新字新仮名) / 高木敏雄(著)
かれめて問ひ給ひしかば、爾時ソノトキに「御津ミアサキ」とまおしき。その時何処いずくしか言ふと問ひ給ひしかば、即、御祖ミオヤの前を立去於坐タチサリニイデマして、石川渡り、阪の上に至り留り、此処ここと申しき。
水の女 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
太子の為に御祖ミオヤの尊の造られた待酒マチザケは、造りはじめに、常世の少彦名神の資格を以てせられたのである。酒の遠い由来を説くのでなく、目前にある酒の出来を説くのである。
日本の天子が日の神・御祖ミオヤ・ひるめの頃から、いつも血族的にはにゝぎの命と同格のすめみまであり、信仰的には忍穂耳命同様日の御子であつた。琉球時代は、天子をてだてと言うた。
若水の話 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
御祖ミオヤの神即、母神が、地に降つて、姉なる、富士に宿を頼むと、今晩は新嘗ですからとにべもなく断つた。妹筑波に頼むと新嘗の夜だけれど、お母さんだからと言うて、内に入れてもてなした。
最古日本の女性生活の根柢 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
御祖ミオヤの神すなわち、母神が、地にくだって、姉なる、富士に宿を頼むと、今晩は新嘗ですからとにべもなく断った。妹筑波に頼むと新嘗の夜だけれど、お母さんだからと言うて、内に入れてもてなした。
最古日本の女性生活の根柢 (新字新仮名) / 折口信夫(著)