御無音ごぶいん)” の例文
拝啓昨今御病床六尺の記二、三寸にすぎすこぶる不穏に存候間ぞんじそうろうあいだ御見舞申上候達磨儀だるまぎも盆頃より引籠ひきこも縄鉢巻なわはちまきにてかけいの滝に荒行中あらぎょうちゅう御無音ごぶいん致候いたしそうろう
病牀六尺 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
徳「又だア……其ののち打絶うちたえて……御無音ごぶいんに……何時も御壮健おかわりも無く……大西徳藏大悦たいえつ奉る」
松と藤芸妓の替紋 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
歌会などへいつも一緒に行って下さる祖母も、「あんな御様子の方ではねえ」といっていました。それでただ一度伺っただけで、学校へ行くようになってからは御無音ごぶいんに過ぎました。
鴎外の思い出 (新字新仮名) / 小金井喜美子(著)
『……以来、一度は、あの節の御温情に対しまして、お礼に推参いたしたいと、明け暮れ心にかけながら、浪々の身の生活たつきに追われ、お恥かしながら、御無音ごぶいんの罪、何とぞおゆるし下しおかれますように』
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
拝呈その後は御無音ごぶいんに打過ぎ申訳もうしわけ無之候これなくそうろう
雨瀟瀟 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
玄「イーヤお帰りですか、意外な御無音ごぶいんじつに謝するに言葉がござらんて」
名人長二 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
玄「誠に意外な御無音ごぶいんをいたしたので、しかいつも御壮健で」
名人長二 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
又「誠に存外の御無音ごぶいん