御慈悲おじひ)” の例文
權三助十默止だまりますまい此一件彦三郎申分相立候樣に御慈悲おじひを願ひ奉つると云ふに八右衞門彦三郎も進出すゝみいでごん三助十諸共もろともかまびすしくこそ申けれ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
権利のないものに存在を許すのは実業家の御慈悲おじひである。無駄口をたたく学者や、蓄音機の代理をする教師が露命をつなぐ月々幾片いくへんの紙幣は、どこからいてくる。
野分 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
くはへ候由私しは數年の出入屋敷やしきの事故先一旦の難儀なんぎすくふ心に候へどもかく御尋ねの上はつゝまず申上るにより御役人樣方の御慈悲おじひ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
披見ひけん仕つり候に主人とは申ながら餘り御なさけなき致され方と存じ候あひだせめては御慈悲おじひを以て死骸だけも御くだされ候樣仕つりたく之に依て此段歎願奉り候以上
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)