御命ぎょめい)” の例文
御本陣氏政公からの御命ぎょめいで、里見義介、そのほかの手勢が、下後閑しもごかんの間道から、急に、総攻めにかかったそうでございます
篝火の女 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
しかも、ここの伊吹山下は、累代るいだい佐々木の領土です。思うに、京よりお身を預かり下って、鎌倉どのの御命ぎょめいよんどころなく、この地で、ご生害を
私本太平記:05 世の辻の帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そのままでよい。お届けにはおよばん。再三、お願い出ではしてあるのだ。……のんべんくらりと、御命ぎょめいの降下を
私本太平記:10 風花帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
すなわち、花山院師賢は、この場からすぐ“身代りの天皇”となって、叡山へ行けとの御命ぎょめいを拝したのだ。
私本太平記:04 帝獄帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
がしかし、宮には猫のごとく慴伏しょうふくして何一ついやがるということはない。御命ぎょめいとあれば水火の中へでもとびこんでゆく。宮にはこれがたまらない御快味だった。
「後はかまわん。たとえ、足利と喧嘩になろうと、こちらにも文句のあること。おもしろい懸合いになるぞとまで、あのさいは、きつい御命ぎょめいでございましたのに」
私本太平記:05 世の辻の帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
上申じょうしんの書などを一べんするに、汝は元来、宋家そうけ代々の重恩をうけたる家柄の身でありながら、昨年、帝の御命ぎょめいにて、西湖石せいこいしの運搬にあたった折には、途中、船を難破させたのみか
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「重大な御命ぎょめい、私ごときを、格別な御抜擢ごばってきかと、畏れながら存じあげます。粉骨砕身ふんこつさいしん、ただ秀吉の駑才どさい精根しょうこんを傾けてこれにあたり、以て、おこたえ申しあげるしかございませぬ」
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
信長公の御命ぎょめいを、わざと怠らせているのは、まさか筑前どののさしずではあるまいな。そう疑われる怖れもある。御立腹をこうむったら筑前どのとてどんな迷惑をうけるやも知れぬ。
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「鎌倉殿の御命ぎょめいでまいった。左近っ、のがれえぬところだ。あきらめろ」
私本太平記:02 婆娑羅帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
王駙馬おうふばさまの近習、高俅こうきゅうにござりまする。じつは、主人の御命ぎょめいにて」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
御命ぎょめいなれば、いつなりと、地の図をひいて、尊覧そんらんに供えます」
新書太閤記:03 第三分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「もちろん天皇の御命ぎょめいです」
御命ぎょめい、こころえました」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
との御命ぎょめいがくだった。
私本太平記:04 帝獄帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)