後妻のちぞい)” の例文
弥吉もまだ年齢は若いし、独身で暮すわけにも行かないので、小林の血統ちすじから後妻のちぞいを迎えておだやかに暮して行くうちに後妻にも男の子が二人も生まれた。
駅夫日記 (新字新仮名) / 白柳秀湖(著)
婆「われのような可愛い子があっても子に構わず後妻のちぞいを持ちてえて、おすみの三回忌も経たねえうち、女房を持ったあから、汝よりは女郎じょうろの方が可愛いわ……いじめるか」
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
残った家族というのは、十六になる娘のおいとと、六つになる男の子の栄三郎えいざぶろうと、一年ばかり前にめとった後妻のちぞいのおたきだけ、世間並に考えると、この継母けいぼのお滝が一番疑われる地位にあるわけです。
栄華をたれと共に、世も是迄これまでと思い切って後妻のちぞいもらいもせず、さるにても其子何処どこぞと種々さまざま尋ねたれどようやくそなたを里に取りたる事あるばばより、信濃しなのの方へ行かれたといううわさなりしと聞出ききいだしたるばか
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)