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彷彿
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そっくり
ふりがな文庫
“
彷彿
(
そっくり
)” の例文
それは
隅田川
(
すみだがわ
)
を往復する川蒸汽の音に
彷彿
(
そっくり
)
で、どうかするとあの川岸に近い都会の空で聞くような気を起させる。よく聞けばやはり山の上の汽車だ。
家:01 (上)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
姉は久しぶりで一緒になった弟を前に置いて、夫に向って、「まあ、捨吉の坐っているところを見てやって下さい、あれの手なぞはお父さんに
彷彿
(
そっくり
)
です」
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
夫はお房が可愛くて成らないという風で、「この児の
頬
(
ほっぺた
)
は俺の
母親
(
おっか
)
さんに
彷彿
(
そっくり
)
だ」などと言っているかと思えば、
突然
(
だしぬけ
)
にお雪に向ってこんなことを言出す。
家:01 (上)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
「ほんに、この児は
壮健
(
じょうぶ
)
そうな顔をしてる。眼のクリクリしたところなぞは、三吉の
幼少
(
ちいさ
)
い時に
彷彿
(
そっくり
)
だぞや……どれ、皆な好い児だで、伯母さんが
御土産
(
おみや
)
を出さずか」
家:02 (下)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
その縁側のところへ来て、お仙が父の達雄に
彷彿
(
そっくり
)
な、額の広い、眉の
秀
(
ひい
)
でた、面長な顔を出した。彼女は何を見るともなく庭の方を見て、復た台所の方へ引込んで了った。
家:02 (下)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
▼ もっと見る
爺
(
おやじ
)
、
己
(
おれ
)
もお
前
(
めえ
)
も
此頃
(
こないだ
)
馬を買った覚がある。どうだい、この馬は
何程
(
どのくれえ
)
の
評価
(
ねぶみ
)
をする——え、背骨の具合は浅間号に
彷彿
(
そっくり
)
だ。今日この原へ集った中で、この
程
(
くれえ
)
良い馬は少なかろう
藁草履
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
“彷彿”の意味
《名詞》
自然に思い起こされるような印象を与える様。
(出典:Wiktionary)
彷
漢検1級
部首:⼻
7画
彿
漢検1級
部首:⼻
8画
“彷”で始まる語句
彷徨
彷
彷徊
彷弗
彷狒
彷迷
彷遑
彷徨彳亍