彫弓ちょうきゅう)” の例文
すると、一叢ひとむら荊棘けいきょくの中から、不意にまた、一頭の鹿が躍りだした。帝は手の彫弓ちょうきゅう金鈚箭きんひせんをつがえて、はッしと射られたが、矢は鹿の角をかすめてれた。
三国志:05 臣道の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
それのみか、曹操は、忘れたように、帝の彫弓ちょうきゅう金鈚箭きんひせん手挟たばさんだまま、天子に返し奉ろうともしなかった。
三国志:05 臣道の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
かくて御料の猟場かりばに着くと、許田きょでん二百余里(支那里)のあいだを、十万の勢子せこでかこみ、天子は、彫弓ちょうきゅう金鈚箭きんひせんを御手に、駒を野に立てられ、玄徳をかえりみてのたもうた。
三国志:05 臣道の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
握り太な彫弓ちょうきゅうまんを引いて、びゅッとつるを切って放つ。その矢も見事、彼方の袍の心当むねあてを射抜いた。
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
選手はみな馬に乗り、手に彫弓ちょうきゅうをたずさえて、合図を待つ。
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)