幽玄ゆうげん)” の例文
森の中のたたずまいは、丁度名ある大寺院の礼拝らいはい堂に似て、その幾層倍も、神秘に、幽玄ゆうげんに、物凄く感じられるのです。
パノラマ島綺譚 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
そのさびといひ、といひ、幽玄ゆうげんといひ、ほそみといひ、以て美の極となす者、ことごとく消極的ならざるはなし。
俳人蕪村 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
長高ちょうこう見様けんよう面白おもしろ有一節ひとふしある濃様のうよう鬼拉きらつ幽玄ゆうげん事可然様ことしかるべきよう麗様れいよう有心うしんとしたが、その中で、幽玄・麗様・濃様・長高などにあたる歌をお好みになったらしいので
中世の文学伝統 (新字新仮名) / 風巻景次郎(著)
ってでる敵はなかったが、どこからともなく幽玄ゆうげん妙音みょうおんをまろばしてくる八雲琴やくもごとがあった。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
幽玄ゆうげんな生死の境を足もとに見て人間を——武士の人生を、思わずにいられなかった。
新書太閤記:02 第二分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)