幼名おさなな)” の例文
「道さん」などと馴々なれなれしく而も幼名おさななを以て余を呼ぶ者は外に無い、幼い時から叔父の家で余と一緒に育てられた乳母の連れ子で、お浦と云う美人で有る、世間の人は確かに美人と褒め
幽霊塔 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
遮那王といえば、源家の嫡男ちゃくなん前左馬頭義朝さきのさまのかみよしともの末子で、幼名おさななを、牛若といった御曹子おんぞうしのことだ。常磐ときわとよぶ母の乳ぶさからはなされて、鞍馬寺へ追い上げられてから、もう、十年の余になる。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
急に親しく、画工を、幼名おさななに呼びかけて
菊あわせ (新字新仮名) / 泉鏡花(著)