平山ならやま)” の例文
きみひいたもすべなみ平山ならやま小松こまつしたなげくかも 〔巻四・五九三〕 笠女郎
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
おきて 青によし 平山ならやま越えて いかさまに 思ほしけめか あまさかる ひなにはあれど 石走いわばしる 淡海おうみの国の ささなみの 大津の宮に 天の下 知ろしめしけむ すめろぎの 神のみことの 大宮は ここと聞けども 大殿は ここといえども かすみ立つ 春日はるひかきれる 夏草香なつくさか しげくなりぬる ももしきの大宮処おおみやどころ 見ればかなしも。
なよたけ (新字新仮名) / 加藤道夫(著)
笠女郎かさのいらつめが大伴家持に贈った廿四首の中の一つである。平山ならやまは奈良の北にある那羅山ならやまで、其処に松が多かったことは、「平山ならやまの小松がうれの」(巻十一・二四八七)等の歌によっても分かる。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)