常陸守ひたちのかみ)” の例文
また奥羽の秀衡が陸奥守みちのくのかみになり、佐竹冠者が常陸守ひたちのかみになって、この者たちも頼朝の命を聞かぬ。こうした者も急いで討てとの院宣を賜わりたい
常陸守ひたちのかみの奥様もやっとお喜びになることができた御様子でお仕度したくのことなどをあちらからもいろいろとお世話をしていらっしゃいましたころになりまして
源氏物語:54 蜻蛉 (新字新仮名) / 紫式部(著)
書くことはなんでもありませんがね、人はいろいろなうわさをしたがるものですからね、右大将は常陸守ひたちのかみの娘に恋を
源氏物語:52 東屋 (新字新仮名) / 紫式部(著)
「前常陸守ひたちのかみ様のお嬢様が初瀬はせのお寺へおまいりになっての帰りです。行く時もここへお泊まりになったのです」
源氏物語:51 宿り木 (新字新仮名) / 紫式部(著)
夫人と約束をした日どりまでも変えずにその夜から常陸守ひたちのかみの娘の所へ通い始めることにした。
源氏物語:52 東屋 (新字新仮名) / 紫式部(著)
源右大将は常陸守ひたちのかみの養女に興味は覚えながらも、しいて筑波つくばの葉山繁山しげやまを分け入るのは軽々しいことと人の批議するのが思われ、自身でも恥ずかしい気のされる家であるために
源氏物語:52 東屋 (新字新仮名) / 紫式部(著)
常陸守ひたちのかみの娘であったと人が言っても自分の恋愛の径路が悪いものであれば指弾もされようが、そんなことではないのであるからはばかる必要もない、一人の大事な娘を不幸に死なせた母親を
源氏物語:54 蜻蛉 (新字新仮名) / 紫式部(著)
少将の妻になっている常陸守ひたちのかみの娘の産期が近づいたため、祈祷きとうとか読経どきょうとかをさせるために家のほうは騒いでいて、懸案だった石山もうでもできなくなり、母のほうから宇治の山荘へ出て来た。
源氏物語:53 浮舟 (新字新仮名) / 紫式部(著)