己達おれたち)” の例文
大抵は皆成ろう事ならうちに寝ていたい連中れんじゅうであるけれど、それでも善くしたもので、所謂いわゆる決死連の己達おれたちと同じように従軍して、山をえ川を
「金が何だ。会社は事業をするために金がいる。己はいらねえ。己達おれたち夫婦が飯を食って、餓鬼どもの学校へ行くぜにが出せれば好い。金をめるようなしみったれは江戸子じゃあねえ。」
里芋の芽と不動の目 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
ミハイロの罪の無い笑声や、人の好ささうな眼色めつきが皆の気に入つて、なぶらずに真面目に事情わけを聞出したから、仕事をさせて貰ひたいのだといふと、そんなら己達おれたちの跡にいて来なと云ふ。
椋のミハイロ (新字旧仮名) / ボレスワフ・プルス(著)