巣林子さうりんし)” の例文
氏はその例として、ダンテ、ゲエテ、シルレル、ミルトン、シエリイ、キイツ、芭蕉、馬琴、巣林子さうりんし……などいふ名家を引張り出して来た。
このへん飾馬考かざりうまかんがへ』『驊騮全書くわりうぜんしよ』『武器考證ぶきかうしよう』『馬術全書ばじゆつぜんしよ』『鞍鐙之辯くらあぶみのべん』『春日神馬繪圖及解かすがしんばゑづおよびげ』『太平記たいへいきおよ巣林子さうりんし諸作しよさくところおほあへ出所しゆつしよあきらかにす
孔雀船 (旧字旧仮名) / 伊良子清白(著)
巣林子さうりんしの傾城反魂香にも熊野のことが出たりするのを見れば、やはり歌比丘尼の歌から出てゐるに相違ない。
お伽草子の一考察 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
巣林子さうりんしの世話戯曲十中の八九は主人公ヒロインを遊廓内に取れり、其清潔なる境地より取り来りたる者は甚だ少数なるうちに「お夏清十郎歌念仏」は傑作として知られたり。
「歌念仏」を読みて (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
何がゆえに過去の国民性もしくは理想を今の作家に要求する必要あるかと、過去の理想を描きたる作を見んと欲せば、馬琴に帰れ、春水に帰れ、種彦に帰れ、もしくは又た巣林子さうりんし、西鶴の作に帰れ。
国民性と文学 (新字旧仮名) / 綱島梁川(著)
「世の中に絶えて心中なかりせば、二世のちぎりもなからまじ」(旅中、本書を携へず、或は誤字あらん)、と「冥土の飛脚」に言はせたる巣林子さうりんし、われその濃情を愛す。