岡惚をかぼ)” の例文
「いえ、そんなこと構やしません。朝だつて夜だつて、三年越しの私の岡惚をかぼれの親分だもの、お顏を見せて下さりや、本望」
あれでつたらうだらうとつたが、いたからだれでもれるよ、わたしは本当に岡惚をかぼれをしたワ。
心眼 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
「八の岡惚をかぼれの人別帳になくたつて、それだけのきりやうなら、又めぐり逢はないものでもあるまいよ」
まへ去年きよねんわたし寸白すばこいてゐる時分じぶんうち療治れうぢたに、梅喜ばいきさんの療治れうぢ下手へただが、何処どこ親切しんせつ彼様あんじつる人はないツて、うち小梅こうめ大変たいへんまへ岡惚をかぼれをしてゐたよ
心眼 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
「引合せるのは御安い御用だが、おめえは親分に岡惚をかぼれをしてゐるさうぢやないか、下谷中の評判だぜ」
銭形平次捕物控:311 鬼女 (旧字旧仮名) / 野村胡堂(著)
「すると、あつしをつかまへていきなり——三年越しの岡惚をかぼれだ——なんて言つたのもお世辭かな」
「八も俺も、三年越しの岡惚をかぼれだといふことだ。親の前ぢや、打ち明けにくいこともあるだらう」