居家きょか)” の例文
慈といい、孝といい、ていといい、ゆうというが如き、即ちこれにして、これを総称して人生居家きょかの徳義と名づくといえども、その根本は夫婦の徳にらざるはなし。
日本男子論 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
公然この醜行を犯してずるを知らず、即ち人生居家きょかの大倫をみだりたるものにして、したがって生ずる所の悪事は枚挙にいとまあらず、その余波よは引いて婚姻の不取締となり
日本男子論 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
その目的は我日本国中にける気品の泉源、智徳の模範たらんことを期し、これを実際にしては居家きょか、処世、立国の本旨を明にして、之を口に言うのみにあらず、躬行きゅうこう実践
即ち居家きょかの道徳なれども、人間生々せいせいの約束は一家族にとどまらず、子々孫々次第に繁殖すれば、その起源は一対の夫婦にいずるといえども、幾百千年をるの間には遂に一国一社会を成すに至るべし。
日本男子論 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
けだし我党はつとに西洋文明の真実無妄むぼうなるを知り、人間の居家きょか処世より立国の大事に至るまで、文明の大義を捨てゝ他にるべきものなきを信じて、世の俗論、古論、保守論をよろこばざることなれども