寧馨児ねいけいじ)” の例文
五歳にして六甲を誦し、八歳にして詩書に通じ、百家を観たという寧馨児ねいけいじであった。田舎役人の県知事などが、李白に敵うべき道理がなかった。
岷山の隠士 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
十四歳初めて新聞に寄書し、十九歳小説を著わし、二十一歳既に一家を成した漣はまれに見る寧馨児ねいけいじであった。
学校で植物学を教えるにも先生はこんな道理をも織り込んで、他日必ずや日本帝国の中堅となるべき今日の寧馨児ねいけいじを教育せられんことを国家のために切望する。
蕪村門下の寧馨児ねいけいじとして聞えた松村月渓もその一人で、平素よく、物の風味のわからない人達に、芸事の細かい呼吸が解せられようはずがないといいいいしていて、弟子をとる場合には
艸木虫魚 (新字新仮名) / 薄田泣菫(著)
後日私に継いで政柄せいへいを執り、琉球にかねたがをはめるのはこの児であろうといったとの伝承がございますが、この寧馨児ねいけいじこそは他日薩州と琉球とを融和させた所の羽地按司はねじあんじ向象賢であります。
琉球史の趨勢 (新字新仮名) / 伊波普猷(著)
頼氏は寧馨児ねいけいじを有せり。襄の学業は駸々しん/\として進めり。
頼襄を論ず (新字旧仮名) / 山路愛山(著)