寒垢離かんごり)” の例文
間もなく寒垢離かんごりを取るような水の音、昼下がりの陽射しはポカポカするようでも正月四日の寒さに、水の音を聴いただけでゾッと身顫みぶるいが出ます。
寒垢離かんごりをしてッぱいになった馬春堂が、獅子舞ししまい遠囃子とおばやしを引っ立ててそこを逃げ出してから暫くしてのち——。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
九字くじを切るだのと申しまして、不思議なことをするのでありますが、もっともこの宗門の出家方は、始めから寒垢離かんごり、断食など種々さまざまな方法で法をしゅするのでございまして、向うに目指す品物を置いて
湯女の魂 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
間もなく寒垢離かんごりを取るやうな水の音、晝下がりの陽射しはポカポカするやうでも正月四日の寒さに、水のお音を聽いただけでゾツと身顫みぶるひが出ます。
「百度詣りも寒垢離かんごりも、皆んな芝居に違ひあるまい、——お前は私の顏をまともに見ることも出來なかつた——」
「何んだつまらねえ、寒垢離かんごりが追ひ剥ぎに逢つたてな——おちだらう」