宿直しゅくちょく)” の例文
からだのことだけでいうと、大あたまの男でしたが、これが、ちょうどその晩、宿直しゅくちょくに当っていました。雨もざんざん降っていました。
「ややッ、これは……」寝坊ねぼう宿直しゅくちょくが、やっと目をさまして、とびだしてきた。彼はあまりのことに、まだ夢でもみている気で、目をこすっていた。
○○獣 (新字新仮名) / 海野十三(著)
警官隊はデパートの宿直しゅくちょく員に案内させて、屋上はもとより、各階のすみずみまでさがしまわりましたが、あやしいやつを発見することはできなかったのです。
妖人ゴング (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
先生せんせい、おはようございます。やはり、あのかがみは、ふしぎであります。先生せんせいのおいでなされるのをっていました。」と、昨夜ゆうべは、研究室けんきゅうしつ宿直しゅくちょくした小田おださんは、博士はかせかおるや
うずめられた鏡 (新字新仮名) / 小川未明(著)
同僚が警笛けいてきを吹いたので、たちまち宿直しゅくちょくの連中がかけつけて、人事不省じんじふせいの警官をとりまいて、元気をつけてやった。
金属人間 (新字新仮名) / 海野十三(著)
徹夜勝負よあかししょうぶのそれが、十二時を過ぎたばかりに、スッカラカンでヨ、場に貸してやろうてえ親切者もなしサ、やむなく、工場の宿直しゅくちょく、たあさんのところへ、真夜中というのに、無心むしんに来たというわけ。
夜泣き鉄骨 (新字新仮名) / 海野十三(著)