“宵毎”の読み方と例文
読み方割合
よいごと100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
夕方真紅まっか提灯ちょうちんの様な月が上った。雨になるかと思うたら、水の様な月夜になった。此の頃は宵毎よいごとに月が好い。夜もすがら蛙が鳴く。剖葦よしきりが鳴く。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
この頃丸髷まるまげったお蓮は、ほとんど宵毎よいごとに長火鉢を隔てながら、牧野の酒の相手をした。二人の間の茶ぶ台には、大抵たいていからすみや海鼠腸このわたが、小綺麗な皿小鉢を並べていた。
奇怪な再会 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
村の人になったとし、玉川のかわらからぬいて来た一本の月見草が、今はぬいて捨てる程にえた。此頃は十数株、すくなくも七八十輪宵毎よいごとに咲いて、黄昏たそがれの庭に月が落ちたかと疑われる。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)