宮中きゅうちゅう)” の例文
それでそのまる三年の間というものは、宮中きゅうちゅうへはどこからも何一つお納物おさめものをしないので、天皇もそれはそれはひどいご不自由をなさいました。
古事記物語 (新字新仮名) / 鈴木三重吉(著)
ことは、ときをさかのぼるし、余りに、宮中きゅうちゅう閨門けいもんの秘を語って、いたずらな奇を好むには似るが——ここに語らざるを得ない不幸な事実があった。
そして、この宮中きゅうちゅうでいちばん名誉めいよのあるくらいにつきたければ、それもかなえてやろうと約束やくそくしました。
「こうしましょう、ね、セエラ。あなたは宮様プリンセスで、これは宮中きゅうちゅう御宴ぎょえんなの。」
「ついぞまだ、宮中きゅうちゅうへすいさんいたしたこともございません。」
長楽 宮中きゅうちゅう 雲気散じ
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
それですから、宮中きゅうちゅうし使われている婦人たちは、天皇のおへやなぞへは、うっかりはいることもできませんでした。
古事記物語 (新字新仮名) / 鈴木三重吉(著)
大広間おおひろまとびらがあきますと、そこには宮中きゅうちゅうのお役人やくにんが、ひとりのこらず、いならんでいました。
それからあるとき天皇は、女鳥王めとりのみこという、あるお血筋ちすじの近い方を宮中きゅうちゅうにおしかかえになろうとして、弟さまの速総別王はやぶさわけのみこをお使いにお立てになりました。
古事記物語 (新字新仮名) / 鈴木三重吉(著)