宥免ゆうめん)” の例文
この場に及んでも、自己の一身上のための弁疏べんそ哀願は後廻しにして、まず借物にいたみのないようにと宥免ゆうめんを乞うのを耳にも入れず
大菩薩峠:29 年魚市の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
「お助けいたすでござりましょうが、その代り我々がお願いいたした、例の同志の宥免ゆうめん状、萩丸殿にはお書きくださるか!」
猫の蚤とり武士 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
大士と弟子たちの宥免ゆうめんを願い奉ると夫婦叩頭こうとう、坊主も頓首とんしゅし続けて互いに赦しを乞う事十五分間とは前代未聞の椿事なり。
それでは、法律も変容した罪悪の前に宥免ゆうめんいながら退かなければならないような場合が、世にはあるのか。
いずれも料理道の専門家であり、大家でおられるみなさまを前にして、料理の話をいたしますのは、いささか失礼になりますが、しばらくは、ご宥免ゆうめんを願いたいと思います。
食器は料理のきもの (新字新仮名) / 北大路魯山人(著)
そのうちに源氏宥免ゆうめんの宣旨が下り、帰京の段になると、忠実に待っていた志操の堅さをだれよりも先に認められようとする男女に、それぞれ有形無形の代償を喜んで源氏の払った時期にも
源氏物語:15 蓬生 (新字新仮名) / 紫式部(著)
就ては秀吉に対してかつて敵対行為を取って其忌諱きいに触れたために今にの大名にも召抱えられること無くて居る浪人共をも宥免ゆうめんあって、自分の旗の下に置くことを許容されたい、というのであった。
蒲生氏郷 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
萩丸の書いた宥免ゆうめん状、紀州表で捕えられた、同志十数人の生死にかかわる、大切至極の宥免状を、隠して置いた人形の箱!
猫の蚤とり武士 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
というのは今日まで萩丸殿に対し、我ら手をかえ品を代えて、紀州公への宥免ゆうめん状を、したためさせようといたしましたが、萩丸殿頑として聞き入れませぬ。
猫の蚤とり武士 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)