客室サロン)” の例文
翁は更に次の室のを手づから開けて僕達を導かれた。其処そこは翁の書斎と客室サロンとを兼ねた室で、翁の机の前には同じく翁の製作が沢山たくさん並んで居た。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
その瞬間に此の病み疲れた老婦人は、華麗な客室サロンに深く埋もれ多彩な思ひ出をあたり一面にぼかすところの、かかる老いたる貴婦人の一人の如く思ひ做された。
竹藪の家 (新字旧仮名) / 坂口安吾(著)
客室サロンの椅子をいと𤍠き
晶子詩篇全集拾遺 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
客室サロンを初め多くの室を食堂から寝室までその日に限り開放して陳列室に供し、各室にフロツクコオトを着た係員を置くと云ふき届いた設備がしてある。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
それで今日けふ約束の時間に訪ねてくと大通おほどほりへ面した客室サロンへ案内せられた。室内の飾附かざりつけこの家の外見のけばけばしいのに似ず、高雅な中に淡い沈鬱な所のある調和を示して居た。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)